開催報告

東京会場 開催報告

開催風景

東京開催風景01

中小企業経営者らを中心に約320名がシンポジウムを聴講した。

東京開催風景02

シンポジウム冒頭挨拶をした鎌田中小企業庁次長。中小企業強靱化法施行に伴い、事前の防災・減災対策を国が認定する制度が始まったことを紹介。

東京開催風景03

中小企業強靱化法や、(連携)事業継続力強化計画の認定制度の概要のほか、今後の取り組みを説明した、牧野、中小企業庁中小企業政策統括調整官。

東京開催風景04

東京都中小企業診断士協会理事、地域支援部長の藤田千晴氏が「被災地の復興事例に学ぶ事業継続強化の進め方」と題し、文字通り事例を交えながら、常に危機に直目する事態を想定し、連携・訓練・教育の重要性を述べた。

東京開催風景05

パネルディスカッションでは、「事例から考える事業継続力強化」と題し、中小企業、親事業者、リスクコンサルティング会社で討論し、聴講者に防災の意識を踏み出すきっかけとなるヒントを提供した。

東京開催風景06

会場ホワイエでは、損害保険会社各社のリスクファイナンスに関するブースが設置され、賑わいをみせていた。

中小企業強靭化対策シンポジウム開催 中小企業者ら320名参加

中小企業庁は7月31日に東京都品川区の品川インターシティで「中小企業強靱化対策シンポジウム」を開催した。中小企業に向けた防災・減災対策の推進や、同月16日に施行された中小企業強靭化法や事業継続力強化計画の認定制度を紹介し、中小企業経営者ら約320名が参加した。

同法では、中小企業が自社の事業活動に影響を与えるような災害への対策を検討し、単独で行う「事業継続力強化計画」、または複数の企業が連携して行う「連携事業継続力強化計画」を策定・提出し、経済産業大臣の認定を受けた中小企業は、金融・税制面等で優遇措置を受けることができる制度だ。

東京都中小企業診断士協会理事地域支援部長の藤田千晴氏による基調講演では、「被災地の復興事例に学ぶ事業継続力強化の進め方」と題し、被災地を渡り歩いた経験と知見から、事前の災害対策に対する重要性が述べられた。

「事例から考える事業継続力」をテーマにしたパネルディスカッションでは、災害対策の必要性や具体的な取組について話し合われた。中小企業経営者の立場で登壇した、生出(おいずる、東京都瑞穂町)社長の生出治氏は、「他社のやり方やルールではなく、自分たちが納得のいく方法で対策に組むことが大切。初期対応手順書や避難経路図、危険個所を具体的に特定した予防・低減策を検討・確認している」と具体的な取り組みを紹介。升本総本店(東京都文京区)社長の升本和彦氏は「重視するのは短期的な事業の継続というより会社の継続で、顧客のデータなど会社の資産が残る事が重要と考え、社内では「ほどほど」「ついで」をキーワードにさりげなく、できることから災害対策を進めている」と語った。

また、サプライチェーンの上流事業者の立場であるナブテスコのBCP総括事務局参事である木村康弘氏は、サプライヤーに対して啓発・策定・訓練といったBCP研修を実施している事例を紹介。「速やかに事業を再開し供給してもらうために、まず我々がBCPに取り組み、サプライヤーに展開していく必要がある」とした。リスクファイナンスの専門家である東京海上日動リスクコンサルティング主幹研究員の指田朝久氏は、「まずは地震や水害についてハザードマップを確認し、自社のリスクを知ることが重要。その上で、災害を受けた場合の設備の復旧費用や操業停止した場合にかかる費用を調べ、損害保険会社への相談や銀行からの融資額を検討するべき」とアドバイスした。

同法は、国の認定制度により適切な評価が得られるようになることで、中小企業の信用力向上にも繋がる。様々な角度から改めて事前対策を見直し、一から取り組んでいくことが重要だ。同シンポジウムは、10月末にかけて全国9か所で開催される。全国の中小企業のみなさまに、防災・減災への取組の一歩を踏み出すきっかけとしていただきたい。

札幌会場 開催報告

開催風景

札幌開催風景01

中小企業経営者等、約150名が聴講した。

札幌開催風景02

冒頭挨拶を行った三木北海道経済産業局産業部長。昨年の胆振東部地震等、昨今頻発する大規模災害への事前対策の必要性を述べた。

札幌開催風景03

中小企業強靱化法や(連携)事業継続力強化計画の認定制度、今後の展望について説明した牧野中小企業庁中小企業政策統括調整官。

札幌開催風景04

基調講演では、東京都中小企業診断士協会理事、地域支援部長の藤田千晴氏が登壇。事前対策を行っている事例を交え、被災する前提での対策について述べた。

札幌開催風景05

パネルディスカッションでは、「事例から考える事業継続力」と題し、各企業の事例やリスクファイナンスの取り組み等を紹介し、討論を行った。寒さ対策という北海道ならではの対策等、地元企業の聴講者に防災対策のきっかけになる意見が飛び交った。

札幌開催風景06

会場後方では、リスクファイナンス相談会が同時開催された。来場者は各損保会社のブースにて、保険等のメニューを聞き、にぎわいを見せた。

中小企業強靭化対策シンポジウム 札幌で開催 中小企業者ら150名参加

中小企業庁は東京会場に続き、8月21日に北海道札幌市白石区の札幌コンベンションセンターで「中小企業強靱化対策シンポジウム」を開催した。中小企業向けの防災・減災対策の推進に関する講演、7月16日に施行の中小企業強靭化法や事業継続力強化計画の認定制度を紹介した。中小企業経営者など約150名が参加した。

中小企業強靱化法は、昨今自然災害の頻発化により多くの中小企業の事業継続が危ぶまれている事態を受け、制定。中小企業が事前に災害への対策を検討し、単独で行う「事業継続力強化計画」または、複数の中小企業が連携して行う「連携事業継続力強化計画」を策定し、経済産業大臣が認定する制度を新設した。認定をされた企業は金融・税制面での優遇措置を受けられる。

基調講演で登壇した東京都中小企業診断士協会理事地域支援部長の藤田千晴氏は、被災地での復興事例を交えて、事業継続力計画策定の利点を説明。藤田氏は「災害が起こった時にいち早く復旧・復興した企業が生き残ることができる。事業が停止している間に顧客の喪失を招き、廃業に追い込まれてしまう」と被災を想定した計画策定の重要性を強調した。

「事例から考える事業継続力」をテーマにしたパネルディスカッションでは、災害対策の必要性や具体的な取組について話し合われた。地元中小企業経営者の立場から新谷建設(北海道旭川市)副社長の新谷逸生氏は、「BCPは本来様々な対策を想定すべきだが、中小企業ではすぐに取り組むことのできることから始めることが重要。会社として取り組むためには経営者が旗振り役にならないといけない」とBCP策定ポイントを紹介。中和石油(北海道札幌市)社長の杉澤謙次郎氏は「北海道は他の地域とは違い被災した際に熱源の確保が必要になる。準備をした防災計画が実際に寒さをしのぐことができるのかなど、訓練を通して確かめる必要がある」と寒冷地特有の対策を語った。

また、飲料の製造・販売を手掛ける北海道コカ・コーラボトリングの危機管理部長である井馬智行氏は、自社の事前防災を紹介。さらに事業の特性上、関連・協力会社との関りを念頭に、「防災対策は自社だけでは完結できないことが多くある。関連・協力会社に緊急時のみ協力してもらうことは難しく、平時より関係性を深め、補完しあわなければいけない」と関係構築の重要性を語った。リスクファイナンスの専門家であるMS&ADインターリスク総研リスクマネジメント第四部部長の府川均氏は、「火災保険に加入している中小企業は多い。しかし近年は火災よりも水災、地震の方が多く発生している。自社が被災した時の損失を考えながら火災保険の他にも保障範囲や内容を検討してほしい」とアドバイスをした。

同法は、支援策だけではなく国の制度認定を受けた企業の信用向上につながる。事前防災の重要性を認知し、取り組める対策から始めることが重要となる。同シンポジウムは、10月末にかけて全国で開催。中小企業のみなさんには事前防災・減災を考えるきっかけとしていただきたい。

大阪会場 開催報告

開催風景

大阪開催風景01

中小企業経営者等、約270名が聴講した。

大阪開催風景02

冒頭挨拶を行った米村近畿経済産業局長。中小企業強靱化法の制定の経緯や、昨今頻発する大規模災害への事前対策の必要性を述べた。

大阪開催風景03

中小企業強靱化法や(連携)事業継続力強化計画の認定制度、今後の展望について説明した佐藤中小企業庁事業環境部経営安定対策室長。

大阪開催風景04

基調講演では、東京都中小企業診断士協会理事、地域支援部長の藤田千晴氏が登壇。被災地での復興事例を交え、事前対策の重要性を強調した

大阪開催風景05

パネルディスカッションでは、「事例から考える事業継続力」と題し、各企業の事例やリスクファイナンスの取り組み等を紹介し、討論を行った。ハードルを高くしないことや人材教育と組み合わせるなど聴講者へ事前防災のきっかけとなる討論を行った。

大阪開催風景06

会場後方では、リスクファイナンス相談会が同時開催された。来場者は各損保会社のブースにて、保険等のメニューを聞き、にぎわいを見せた。

中小企業強靭化対策シンポジウム 大阪で開催 中小企業者ら270名参加

中小企業庁は8月28日に大阪府大阪市中央区の大阪ビジネスパークで「中小企業強靱化対策シンポジウム」を開催した。中小企業向けの防災・減災対策の推進に関する講演、7月16日に施行の中小企業強靭化法や事業継続力強化計画の認定制度を紹介した。中小企業経営者など約270名が参加した。

中小企業強靱化法は、昨今自然災害の頻発化により多くの中小企業の事業継続が危ぶまれている事態を受け、制定。中小企業が事前に災害への対策を検討し、単独で行う「事業継続力強化計画」または、複数の中小企業が連携して行う「連携事業継続力強化計画」を策定し、経済産業大臣が認定する制度を新設した。認定をされた企業は金融・税制面での優遇措置を受けられる。

基調講演で登壇した東京都中小企業診断士協会理事地域支援部長の藤田千晴氏は、被災地での復興事例を交えて、事業継続力計画策定の利点を説明。藤田氏は「災害が起きた時にいち早く復旧・復興した企業が生き残ることができる。情報の喪失や事業が停止している間に顧客離れを招き、廃業に追い込まれてしまう」と事前防災と被災を想定した事業計画の重要性を強調した。

「事例から考える事業継続力」をテーマにしたパネルディスカッションでは、災害対策の必要性や具体的な取り組みについて話し合われた。実際に取り組む中小企業経営者として、剤盛堂薬品(ざいせいどうやくひん、和歌山県和歌山市)社長の高橋邦夫氏、ワイヤー製品を扱うトワロン(大阪府堺市)社長の藤本和隆氏が登壇した。藤本氏は「防災マニュアルをそのままにしないことや、避難訓練を定期的に実施すること、セミナーなどを含め新しいことをマニュアルに反映させていくなど取り組んでいきたい」とハードルを高くせずできることをしっかりやっていく姿勢を強調した。高橋氏は「災害はいつどこで起こるか分からない。発災時に適切な判断をし、それに基づいて行動ができるかが重要になる。こうしたことを仕事に関連づけて社員に投げかけをしている。続けていくと皆の動きが変わってきたと感じるときがある。これを評価していくことが大事だ」と社内における意識定着に対する努力を話した。

また防災や事業継続に関わる金融機関として紀陽リース・キャピタルの取締役統括部長の川村益弘氏と、リスクマネジメントコンサルティングの立場でMS&ADインターリスク総研の関西支店長である山口修氏もディスカッションに参加。川村氏は中小企業が事業継続に取り組む意義について「組織力の強化、人材の強化のために取り組んでもらえたらいいと思っている。BCPという言葉は難しいととらえる人も多いが、究極的な目的は何かインシデントが起きた時に、企業として法人として生き残るために組織力を上げていく、経営者と同様に行動できる従業員を育成していくことだろう」と解説した。山口氏は中小企業が実際に事業継続などに取り組む際に「できることころから順番にやっていくと良い。例えば顧客リスト1枚あるだけで違う。1年ごとに目標を決めて段階的に進めても良い。一番良くないのは、一斉に全部やろうとして何もできなくなってしまうこと」とアドバイスを送った。

仙台会場 開催報告

開催風景

仙台開催風景01

中小企業経営者等、約100名が聴講した。

仙台開催風景02

冒頭挨拶を行った渡邉東北経済産業局産業部産業部長。東日本大震災からの復興に触れ、本法を通じ事業継続力強化計画やBCP策定を推進していくことを述べた。

仙台開催風景03

中小企業強靱化法や(連携)事業継続力強化計画の認定制度、今後の取り組みについて説明した山口中小企業庁事業環境部企画課安定対策室課長補佐。

仙台開催風景04

基調講演では、東京都中小企業診断士協会理事、地域支援部長の藤田千晴氏が登壇。被災地での復興事例を交え、平時にも役立つ取り組みを紹介した。

仙台開催風景05

パネルディスカッションでは、「事例から考える事業継続力」と題し、各企業の事例やリスクファイナンスの取り組み等を紹介し、討論を行った。被災した経験や取り組んでおく事前対策など聴講者へ事前防災のきっかけを提供した。

仙台開催風景06

会場後方では、リスクファイナンス相談会が同時開催された。来場者は各損保会社のブースにて保険等のメニューを聞き、聴講者でにぎわいを見せた。

中小企業強靭化対策シンポジウム 仙台で開催 中小企業者ら100名参加

中小企業庁は9月9日に宮城県仙台市青葉区の仙台国際センターで「中小企業強靱化対策シンポジウム」を開催した。中小企業向けの防災・減災対策の推進に関する講演、7月16日に施行の中小企業強靭化法や事業継続力強化計画の認定制度を紹介した。中小企業経営者など約100名が参加した。

中小企業強靱化法は、昨今自然災害の頻発化により多くの中小企業の事業継続が危ぶまれている事態を受け、制定。中小企業が事前に災害への対策を検討し、単独で行う「事業継続力強化計画」または、複数の中小企業が連携して行う「連携事業継続力強化計画」を策定し、経済産業大臣が認定する制度を新設した。認定をされた企業は金融・税制面での優遇措置を受けられる。

基調講演で登壇した東京都中小企業診断士協会理事地域支援部長の藤田千晴氏は、震災により復興した事例を交え、「重要な情報などは、わざわざ災害対策と名を打つとその後の更新を怠ってしまいがちだ」と自身の経営診断経験から述べた。また、災害対策が平時にも役立つことを念頭に、いざという時のために多能工の育成、OBの活用、重要情報の整理などの手法を紹介した。

「事例から考える事業継続力」と題したパネルディスカッションでは、災害対策の必要性や具体的な取り組みについて話し合われた。実際に取り組む中小企業経営者として白謙蒲鉾店(宮城県石巻市)常務取締役で総合管理本部長BCM推進責任者である白出雄太氏と深松組(宮城県仙台市)代表取締役社長である深松努氏が登壇。また多くのサプライヤー・取引先を持ちサプライチェーンを重視する企業としてルネサスエレクトロニクスの生産本部プロセス生産技術統括部統括部長である海藤厚志氏が参加。また、リスクマネジメントコンサルティングの立場からSOMPOリスクマネジメントの主席フェローである高橋孝一氏も出席した。

白出氏は東日本大震災の経験を踏まえ、「津波により被災した企業で復旧復興を遂げた企業の共通項はリスクファイナンス、具体的には地震保険に入っていて、それにより復旧に向けた方針を早期に打ち出せたこと」と備えることの重要性を強調した。深松氏は「災害来たときに一番心配なのは家族。被災時にどこで待ち合わすかなど家族で話し合ってくれと社員に話している。そうすると防災やBCPなものと感じられ、取り組みも真剣味が増す」と社内に防災やBCPに対する意識を浸透させる工夫を紹介した。

ルネサスエレクトロニクスは東日本大震災と熊本地震で二度主力工場が被災している。海藤氏は「サプライヤーのBCPの評価を開始しており、リスク発生時の連携を強化している。また製造委託には耐震強化ノウハウ共有にも取り組んでいる。製品供給を絶対に途絶えさせないためにもサプライヤー、製造委託先との協力、連携が欠かせないと考えている」と取引のある中小企業を含めた強靱化を進める姿勢を示した。

高橋氏は「今回の制度ではBCPという言葉は使わず事業継続力強化計画として分かりやすくしている。これを経済産業大臣認定にした。これは、『やる気認定』であり、会社のリスクはなに、ハザードはなに、どうすればいいの、ヒト・モノ・カネ・情報は大丈夫か、と考え、できることは何かをまず書いてもらうことからはじまる。その先にBCP策定、事業継続力の獲得につながっていくようになっている」と制度を解説。継続的な取り組みの一歩を踏み出すことを促した。

名古屋会場 開催報告

開催風景

名古屋開催風景01

中小企業経営者等、約260名が聴講した。

名古屋開催風景02

冒頭挨拶を行った中部経済産業局の髙𣘺局長。台風による水害被害に触れながら事業継続力強化計画の申請を呼び掛けた。

名古屋開催風景03

中小企業強靱化法や(連携)事業継続力強化計画の認定制度、今後の取り組みについて説明した奈須野中小企業庁事業環境部長。

名古屋開催風景04

基調講演では、BCP支援アドバイザーの昆正和氏が登壇。近年多発する大規模災害への対策、中小企業がBCPを策定する上での重要点を語った。

名古屋開催風景05

パネルディスカッションでは、「事例から考える事業継続力」と題し、各企業の事例やリスクファイナンスの取り組み等を紹介し、討論を行った。地域企業事例は、聴講者に防災・減災への気づきを与えるきっかけを提供した。

名古屋開催風景06

会場後方では、リスクファイナンス相談会が同時開催された。聴講者のリスクファイナンスについての質問を損保各社が答えた。聴講者は保険のメニューの説明を受けるなど、にぎわいを見せた。

中小企業強靱化対策シンポジウム名古屋で開催 中小企業関係者約260名参加

中小企業庁は9月25日に愛知県のナディアパークで「中小企業強靱化対策シンポジウム」を開催した。中小企業向けの防災・減災対策の推進に関する講演、7月16日に施行の中小企業強靭化法や事業継続力強化計画の認定制度を紹介した。中小企業経営者など約260名が参加した。

中小企業強靱化法は、昨今自然災害の頻発化により多くの中小企業の事業継続が危ぶまれている事態を受け、制定。中小企業が事前に災害への対策を検討し、単独で行う「事業継続力強化計画」または、複数の中小企業が連携して行う「連携事業継続力強化計画」を策定し、経済産業大臣が認定する制度を新設した。認定をされた企業は金融・税制面での優遇措置を受けられる。

基調講演で登壇したBCP策定アドバイザーの昆正和氏は、近年増加する大規模災害を念頭に「災害が増加している現状に順応するにはBCPを策定するしかない」と述べた。また、BCPを策定する際のポイントとして「従業員の命を守ることを一番に考えないといけない。そのその後にハザードマップから自社にとってのリスクの把握や非常電源を確保するなどの対策を考える。この順序をおろそかにしたものをBCPと呼ぶことはできない」とBCP策定における重要点を強調した。

「事例から考える事業継続力」と題したパネルディスカッションでは、中小企業のほか中小サプライヤーを含む多くの取引先を持つ大企業が取り組んでいる実際の事業継続のあり方について話し合われた。中小企業経営者として高浜共立運輸(愛知県高浜市)代表取締役会長の神谷昌彦氏と榊原工業(愛知県西尾市)代表取締役の榊原勝氏が登壇。またサプライチェーンを持つ企業として三菱電機名古屋製作所の生産システム推進部部長の澤井秀一氏が参加。また、リスクマネジメントコンサルティングの立場からMS&ADインターリスク総研のリスクマネジメント第四部長である府川均氏も出席した。

神谷氏は「私は1959年の伊勢湾台風の経験があり、その後も多くの災害を体験してきた。まず重要なのは命を守ること。従業員はもちろん、その家族の連絡先や避難場所も把握するようにしている。事業継続や強靱化に終わりはない。一度、計画をつくったら終わりというのでは困る。変化に合わせて見直し続けていくことが必要だ」と自社の取り組みのポイントを紹介。榊原氏は「当社はトップから気持ちを伝え、理解してもらって事業継続や地域の支援までできるまで自立的に動き出すことを目指してきた。丘の上に本社工場があり大水がきた際の避難場所として開放している。社員から意見で屋上の柵に救命浮き輪を配置した。もし流された人がいれば一人でも助けたいという思いからだ。こうした意見が出されることで、取り組んできたBCP、防災活動の理念が浸透していると実感できた」と取り組みの成果を紹介した。

澤井氏は「昨今の大規模災害で材料供給が途絶えるリスクは当社以外でも高まっている。サプライヤー抜きでの生産継続は不可能だ。サプライヤーにBCP策定を推進してもらうため、テーマ別講習会の開催や、BCP支援活動を実施している。各社の特徴に寄り添いステップアップしていってもらう内容だ。事業継続力強化計画の認定制度ができたことは当社の活動の加速に役立つと思う」と認定制度に対する期待を述べた。

府川氏はコンサルティングの立場から「例えば、設置した避難場所は平常時には駐車場として利用することや、停電時でもレジだけは止めないように電気自動車を導入し、そのバッテリーを使うなど、平時にも役立つ、費用対効果を考慮しての活動の具体例もある。企業を取り巻くリスクが多様化する中で、リスクマネジメントとリスクファイナンスの両輪を意識していくことが重要だ」と話した。

広島会場 開催報告

開催風景

広島開催風景01

中小企業経営者等、約130名が聴講した。

広島開催風景02

冒頭挨拶を行った中国経済産業局の中山産業部長。昨年の西日本豪雨に触れ、聴講者へ制度の意義を述べた。

広島開催風景03

中小企業庁の山口事業環境部課長補佐は頻発する激甚災害を受け制定された「中小企業強靱化対策法」について説明した。(連携)事業継続力強化計画の認定制度、今後の取り組みを紹介した。

広島開催風景04

基調講演では、弁護士の岡本正氏が登壇。被災時の経営者責任や緊急時の指示系統、普段の防災教育に注力するべきだと語った。

広島開催風景05

パネルディスカッションでは、「事例から考える事業継続力」と題し、各企業の事例やリスクファイナンスの取り組み等を紹介し、討論を行った。昨年の西日本豪雨の経験から水災への対策事例が各企業より多く紹介された。

広島開催風景06

会場後方の資料コーナーではリスクファイナンスに関する各損保会社やレジリエンス認証などに関する資料が並んだ。来場した聴講者は資料を手に取り、賑わいを見せた。

中小企業強靱化対策シンポジウム広島開催 中小企業関係者約130名が参加

中小企業庁は9月30日に広島県の広島国際会議場で「中小企業強靱化対策シンポジウム」を開催した。中小企業向けの防災・減災対策の推進に関する講演、7月16日に施行の中小企業強靭化法や事業継続力強化計画の認定制度を紹介した。中小企業経営者など約130名が参加した。

中小企業強靱化法は、昨今自然災害の頻発化により多くの中小企業の事業継続が危ぶまれている事態を受け、制定。中小企業が事前に災害への対策を検討し、単独で行う「事業継続力強化計画」または、複数の中小企業が連携して行う「連携事業継続力強化計画」を策定し、経済産業大臣が認定する制度を新設した。認定をされた企業は金融・税制面での優遇措置を受けられる。

基調講演で登壇した弁護士の岡本正氏は、会社法の規定に触れ、「会社法には安全義務を統制しなければいけないと規定されている。災害訴訟になった際に“作っていない”ということは言い訳にできない」と述べた。さらに実際の裁判事例をあげ、「事例から見えてくる共通点はトップ不在時の対応の重要性だ。不在の際だれが従業員や顧客、会社を守る責任を負うのか。従業員の階層に応じた教育を平時より施していく必要がある」と防災教育の重要性を語った。

「事例から考える事業継続力」と題したパネルディスカッションでは、実際に災害を経験した企業などが登壇し、防災・減災、BCPに取り組み重要性を強調した。中小企業の立場ではエイチ・エス・ピー(岡山県岡山市)取締役の小野朋子氏、岩国に主力工場を持つ東洋自動機(東京都港区)調達部部長の神薗幸則氏が登壇。また中小企業を含む多くのサプライヤーと協力して事業を進めている立場としてディスコ広島事業所の向井貴史氏が登壇した。またリスクマネジメントコンサルティングの立場から東京海上日動リスクコンサルティング主幹研究員の指田朝久氏が参加した。

エイチ・エス・ピーは2018年7月の西日本豪雨により倉敷市真備町にあった小野氏の実家が被災したことをきっかけに会社としてもBCPを考えるようになったという。小野氏は「まずは自社の災害リスクを知るため、ハザードマップを見るところから始めれば良い。それなら誰でもできる。そこから会社ごとに適したやり方を見つけていけばよい」と最初の一歩を踏み出すことが大事だとアドバイスした。神薗氏はBCPへの取り組みを紹介。「BCPに取り組む前はサプライヤーの80%が広島、山口県に集中していた。これを分散化させる努力をしており、今後とも継続していく」と話した。

向井氏はサプライヤーにBCPに取り組んでもらうため「サプライチェーン向けのセミナーがこちらから押しつけるような形でしていたが、自社のリスクを知ってもらうようなアプローチ型に変えた。これによりBCPを導入した取引先が増えた」と連携するコツを説明した。

指田氏は「リスクファイナンスを考える際、被災をするということを前提に考えることが必要。小野さんも話していたが、まずハザードマップを確認することから始めてもらいたい。実際の資金繰りを考えるなら1カ月操業が止まった時に現金がいくら必要か考えてみるとよい」とアドバイスした。

福岡会場 開催報告

開催風景

福岡開催風景01

中小企業経営者等、約100名が聴講した。

福岡開催風景02

冒頭挨拶を行った九州経済産業局の名垣産業部長。近年多発している大規模災害を念頭に「中小企業強靱化対策法」成立の経緯を述べた。

福岡開催風景03

中小企業強靱化法や(連携)事業継続力強化計画の認定制度、今後の展望について説明した佐藤中小企業庁事業環境部経営安定対策室長。

福岡開催風景04

基調講演では、東京都中小企業診断士協会理事、地域支援部長の藤田千晴氏が登壇。被災地での復興事例を交え、事前対策の重要性を強調した

福岡開催風景05

パネルディスカッションでは、「事例から考える事業継続力」と題し、各企業の事例やリスクファイナンスの取り組み等を紹介し、討論を行った。各企業は事前防災の緊急時の利点だけではなく、平時でも効果が高い事例を紹介。聴講者に事前防災のきっかけを提供した。

福岡開催風景06

会場後方の資料コーナーではリスクファイナンスに関する各損保会社やレジリエンス認証などに関する資料が並んだ。来場した聴講者は資料を手に取り、賑わいを見せた。

中小企業強靱化対策シンポジウム福岡で開催 中小企業関係者約100名が聴講

中小企業庁は10月4日に福岡県電気ビルみらいホールで「中小企業強靱化対策シンポジウム」を開催した。中小企業向けの防災・減災対策の推進に関する講演、7月16日に施行の中小企業強靭化法や事業継続力強化計画の認定制度を紹介した。中小企業経営者など約100名が参加した。

中小企業強靱化法は、昨今自然災害の頻発化により多くの中小企業の事業継続が危ぶまれている事態を受け、制定。中小企業が事前に災害への対策を検討し、単独で行う「事業継続力強化計画」または、複数の中小企業が連携して行う「連携事業継続力強化計画」を策定し、経済産業大臣が認定する制度を新設した。認定をされた企業は金融・税制面での優遇措置を受けられる。

基調講演で登壇した中小企業診断士の藤田千晴氏は、東日本大震災の被災から事業を継続した事例をあげ、「防災、減災は非常時のみに役立つものではない。現在の事業課題の解決に対しても有効な手段になる」と事前防災の有用性を述べた。また、「中小企業強靱化法では商工会等の関係団体の支援を明記している。連携事業継続などについて相談の際に利用してほしい」と各種団体のサポートを紹介した。

「事例から考える事業継続力」と題したパネルディスカッションでは、BCP策定に取り組みはじめた企業とすでに10年以上前から取り組んできた企業が登壇し、それぞれの現状を紹介した。清酒・焼酎の製造元である篠崎(福岡県朝倉市)の経営企画部長である篠崎倫明氏、ゴミ収集サービスなどを展開する共栄資源管理センター小郡(福岡県小郡市)社長の野﨑千尋氏が登壇。また地域を代表する企業としてロイヤルホールディングスから執行役員グループリスク担当リスク管理室長の村上庸彦氏、リスクファイナンスの立場からSOMPOリスクマネジメントの篠目貴大氏が参加した。

篠崎氏は2017年7月の九州北部豪雨の際に撮影した動画で被災状況を紹介。そこからBCPに取り組むはじめた経緯を話し、「必要に迫られるかたちでBCPを策定してきた。手元資金の手当て、最優先復旧事業の選定や復旧時期の策定を進めた」と当時の苦労を基礎に策定した計画を紹介した。一方、野崎氏は2006年の社内プロジェクト立ち上げからBCPに取り組み、活動を継続してきた。野﨑氏は「BCP策定はリスク管理につながり、これは平時にも役立つ。また、策定していることが同業者との差別化になり、かつ従業員教育にも役立つ。さらには地域貢献にもなる。そうしたことを背景に弊社はBCPに継続的に取り組めている」と強調した。

外食施設の運営やホテルなどを全国で展開するロイヤルホールディングスは「自社単独で事業継続することは不可能であり、取引先との連携が不可欠になっている」と村上氏が基本スタンスを解説した。「当社にはリスク管理規定を制定し、グループ全体での管理体制を整備している。これに基づき取り組んできたことを、サプライチェーンなど取引先にも広げていきたい」と方針を示した。

篠目氏はリスクコンサルタントの立場から「防災・減災は従業員や家族、そしてBCPは供給責任を果たすべき顧客のために必要なもの。供給継続は企業の存続意義そのものだ。供給責任を果たすためのBCPの考え方が日常の業務プロセスに組み込むことが大事だ」とアドバイスした。

那覇会場 開催報告

開催風景

那覇開催風景01

中小企業経営者、関係者等が聴講した。

那覇開催風景02

冒頭挨拶を行った沖縄総合事務局の本道和樹経済産業部長。「中小企業強靱化法」を通じて県内の防災対策を進めたいと述べた。

那覇開催風景03

中小企業強靱化法や(連携)事業継続力強化計画の認定制度、今後の展望について説明した山口中小企業庁事業環境部企画課安定対策室課長補佐。

那覇開催風景04

基調講演では、弁護士の岡本正氏が登壇。被災時の経営者責任や緊急時の指示系統、普段の防災教育に注力するべきだと語った。

那覇開催風景05

パネルディスカッションでは、「事例から考える事業継続力」と題し、各企業の事例やリスクファイナンスの取り組み等を紹介し、討論を行った。県内の防災意識を上げるための取り組みを紹介。各パネリストより事前防災の重要性が強調された。

那覇開催風景06

会場後方では各社損保よりリスクファイナンスへの紹介を行った。来場者はブース担当者より説明や紹介を受け、にぎわいを見せた。

中小企業強靱化対策シンポジウムで那覇開催 中小企業関係者約40名が聴講

中小企業庁は10月9日に沖縄産業支援センターで「中小企業強靱化対策シンポジウム」を開催した。中小企業向けの防災・減災対策の推進に関する講演、7月16日に施行の中小企業強靭化法や事業継続力強化計画の認定制度を紹介した。中小企業経営者など約40名が参加した。

中小企業強靱化法は、昨今自然災害の頻発化により多くの中小企業の事業継続が危ぶまれている事態を受け、制定。中小企業が事前に災害への対策を検討し、単独で行う「事業継続力強化計画」または、複数の中小企業が連携して行う「連携事業継続力強化計画」を策定し、経済産業大臣が認定する制度を新設した。認定をされた企業は金融・税制面での優遇措置を受けられる。

基調講演で登壇した弁護士の岡本正氏は、実際の災害訴訟を例に挙げ、「事前に対策を講じていないことは従業員の命を守れないばかりか、会社法上問題となる」と事前対策の必要性を強調。また、「緊急時必ずトップがいるわけではない。不在時いかにスムーズに決定権を委譲するか、そこまで検討しておかなければいけない」と述べ、アドバイスを送った。

「事例から考える事業継続力」と題したパネルディスカッションでは、防災計画策定に取り組んでいる団体や企業が、それぞれの現状を紹介した。沖縄県ホテル旅館生活衛生同業組合の事務局長である銘苅直子氏が観光産業での動き、沖縄産業振興センター(沖縄県那覇市)の総務企画部管理課主任である真喜屋悠貴氏が運営施設における入居企業への働きかけを紹介した。また県内で防災機器や資材の普及に務めている企業、アースウィング(沖縄県那覇市)の羽地万寿雄代表取締役も登壇し、防災・減災、BCPの必要性を訴えた。またリスクコンサルティングの立場でSOMPOリスクマネジメントのBCMコンサルティング部長の篠目貴大氏も参加した。

銘苅氏は「災害時のダメージを最小限にするには対策しかない。沖縄ではできていると思われがちだが、10年、20年前に比べ被害も変わっている。想定した訓練、災害別の対策マニュアルで備えることが大事。観光産業ではこうした取り組みがあるかないかで、その後の風評にも影響する」と話した。真喜屋氏は中小企業強靱化法が施行したことを受け「中小企業も事業継続に取り組みやすくなるのではないか。それは競合他社に対する優位性にも、経営力の強化にもつながるものだと思う。一つでも多く県内企業が、防災・減災に興味を持ち、そして知識をつけていってもらえれば」と企業の背中を押す効果に期待を寄せた。

熊本地震の際、被災現場で活動経験のある羽地氏は「沖縄は陸続きではないことが一番の懸念だ」と強調した。「熊本地震の被災地には数日で全国からさまざまな支援が来ていたが沖縄の場合どうなるか。空港、港湾が被害を受けたらどうか。県外からの輸送の手段がなくなると県内の生活、経済は回らない。逆に、東京、大阪が被災した際、原材料、資材などは調達できるのか。沖縄は災害に弱い県だ。災害に対し、他の地域の3倍も4倍も備えていかなければいけない」と警鐘を鳴らした。

篠目氏は「事前対策と被災時に必要なリスクファイナンス対策は別々に考えてはいけない。事前対策は被害に合う確立を下げ、復旧を早くできる。しかしそれでもリスクは残る。そこをリスクファイナンスでカバーしていく。災害を知って、被災することを前提に考えていくことが重要になる」と事業継続に向けた現実的な取り組みの必要性を説明した。

高松会場 開催報告

開催風景

高松開催風景01

中小企業経営者、関係者等約100名が聴講した。

高松開催風景02

冒頭挨拶を行った四国経済産業局の山本秀欧産業部長。「中小企業強靱化法」を通じて四国内の防災対策を進めたいと述べた。

高松開催風景03

中小企業強靱化法や(連携)事業継続力強化計画の認定制度、今後の展望について説明した四国経済産業局産業部中小企業課の保積賢勇 課長

高松開催風景04

基調講演では、弁護士の岡本正氏が登壇。被災時の経営者責任や緊急時の指示系統、普段の防災教育に注力するべきだと語った。

高松開催風景05

パネルディスカッションでは、「事例から考える事業継続力」と題し、各企業の事例やリスクファイナンスの取り組み等を紹介し、討論を行った。2018年の西日本豪雨での被災経験を語り、事前防災の重要性を強調した。

高松開催風景06

会場入り口では関係団体より防災に関する資料が配布された。来場者は各種資料を手に取り、にぎわいを見せた。

中小企業強靱化対策シンポジウム高松開催 中小企業関係者約100名が聴講

中小企業庁は10月24日にかがわ国際会議場で「中小企業強靱化対策シンポジウム」を開催した。中小企業向けの防災・減災対策の推進に関する講演、7月16日に施行の中小企業強靭化法や事業継続力強化計画の認定制度を紹介した。中小企業経営者など約100名が参加した。

中小企業強靱化法は、昨今自然災害の頻発化により多くの中小企業の事業継続が危ぶまれている事態を受け、制定。中小企業が事前に災害への対策を検討し、単独で行う「事業継続力強化計画」または、複数の中小企業が連携して行う「連携事業継続力強化計画」を策定し、経済産業大臣が認定する制度を新設した。認定をされた企業は金融・税制面での優遇措置を受けられる。

基調講演で登壇した弁護士の岡本正氏は、実際の災害訴訟を例に挙げ、「事前に対策を講じていないことは従業員の命を守れないばかりか、会社法上問題となる」と事前対策の必要性を強調。また、「緊急時必ずトップがいるわけではない。不在時いかにスムーズに決定権を委譲するか、そこまで検討しておかなければいけない」と述べ、アドバイスを送った。

「事例から考える事業継続力」と題したパネルディスカッションでは、2018年の西日本豪雨を経験した地元企業2社が登壇し、それぞれ現状を紹介。コットン衛生製品の製造と販売を行っている丸三産業の取締役管理本部長である清水建男氏、食肉加工を行うJAえひめアイパックスの常務取締役の中川達也氏が登壇。また愛媛県に主力工場を持つ大王製紙より四国支店中四国新聞用紙部の部長である島田弘一氏、東京海上日動リスクコンサルティングの主幹研究員の指田朝久氏が参加した。

愛媛県大洲市に本社を置く丸三産業の清水氏は1995年7月の豪雨をきっかけにBCP策定に取り組んだ経緯を紹介。建屋のかさ上げなど防災対策、水災保険の契約、取引先との協力などを行ってきた。清水氏は「7月の炎天下での復旧で1カ月以上かかったが、社員の災害に対する意識や他工場からの応援者を含めて社員同士の絆も深まった」と当時を振り返り、よりBCPに関する取り組みを強化していく方針を話した。同じく大州市に本社を置くJAえひめアイパックスの中川氏は2018年の西日本豪雨以前にBCPを作成していたが、大州工場全体の施設が約1.7メートル浸水するなど機能しなかったと話した。中川氏は「創業来40年間工場前の水田の冠水はあったが、工場敷地内への浸水はなかった。敷地が国道より1.5メートルかさ上げされていることで『この工場は浸水しない』という神話があった」と当時の状況を振り返った。そのことを踏まえ、他県の食肉センターとの業務連携、基幹設備の電源確保、電算システムのクラウド化を盛り込んだ新たなBCP策定に着手している。

多くのサプライヤーを持つ大王製紙の島田氏は愛媛県中央市の三島工場での事業継続計画を紹介。南海トラフ地震に対する備えについても説明した。この中で、サプライヤーとの取り組みにも言及し、「事業継続は当社のみでできることではない。企業の大小にかかわらず取引先のBCPも極めて重要だと認識している。災害時にサプライチェーン全体が円滑に連携するためにも中小企業が事業継続に取り組む意義は大きい」と全国の中小企業にエールを送った。

指田氏はリスクコンサルタントの立場から「水害対策の第一歩としてハザードマップを必ず確認してほしい。また、水災が付いている保険は全体の30%ほどしかない。保険だけではなく、災害債権など多様な手段を検討してほしい」とアドバイスした。